空き家活用ブログ
狭小地とは、一般的に15〜20坪(約50〜66㎡)以下の狭い土地のことです。まずは定義と、狭小地が生まれやすい場所の特徴を押さえておきましょう。
狭小地に、法律上の明確な定義はありません。不動産業界では、おおむね15〜20坪以下の土地を狭小地と呼ぶのが一般的です。
一方で、自治体の制度によっては独自の基準を設けている例もあります。たとえば神戸市の「空き地活用応援制度(隣地統合補助)」では、面積100㎡未満の土地を「狭小地等」と定義しています(※)。
つまり「何坪から狭小地」と一律に決まっているわけではありません。売却時の評価は面積だけで決まらず、土地の形や道路との接し方も含めて判断されます。
狭小地が都市部や駅の近くに多いのは、地価の高いエリアほど土地を小さく分けて売り出す傾向があるためです。
地価が高い場所では、広い土地のままだと総額が高くなり、買い手が限られてしまいます。そこで一つの土地を分割し、買い手の予算に合う広さで販売するケースが多く、結果として狭小地が生まれやすくなります。
裏を返せば、狭小地は「利便性の高い立地」であることも少なくありません。面積の狭さは弱点でも、立地のよさは売却時の強みになり得ます。

狭小地の売却が難しいといわれる根本の理由は、買い手が限られることにあります。なぜ買い手が限られるのか、代表的な5つの理由を見ていきましょう。
狭小地は、買い手が住宅ローンを組みにくい場合があります。金融機関は土地と建物を担保として評価するため、面積が小さい土地や形がいびつな土地は、融資額が抑えられたり審査が通らなかったりするケースがあるからです。基準は金融機関ごとに異なります。
全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」にも床面積の要件があります。ただし2026年4月以降の物件検査申請分から、一戸建ての床面積要件は「70㎡以上」から「50㎡以上」に緩和されました(※)。
狭小地に建つコンパクトな住宅でも、買い手がフラット35を利用できる可能性は以前より広がっています。
買い手のローン事情は売れやすさに直結するため、売却前に把握しておきたいポイントです。
※"住宅金融支援機構「【フラット35】の融資限度額引上げ等を実現!!」(令和7年12月23日)"参照
建物を建てる土地は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。これを「接道義務」といいます(※)。
古くからの住宅密集地にある狭小地では、道路に接する部分(間口)が2mに満たないケースもあります。
この場合、今ある建物を取り壊すと新たに家を建てられない「再建築不可」の土地となり、買い手は大きく限られるでしょう。住宅ローンの審査も通りにくくなる傾向があります。
※"e-Gov法令検索「建築基準法」第42条・第43条"参照
狭小地は、建物の建築費や解体費が割高になりやすい土地です。前面道路が狭く隣家と近接していることが多いため、大型の重機や車両が入りにくく、手作業や工期が増えるからです。
買い手は「土地代+建築費」の総額で購入を判断します。建築費がかさむぶん、土地の価格を抑えたいと考える買い手が多くなるのは自然な流れといえます。
狭小地は、三角形や台形などの「変形地」が多い傾向にあります。変形地は間取りを工夫しにくく、整った形の土地に比べて需要が低いとされています。
駐車スペースを確保しにくいことや、アパートなどの収益物件を建てても戸数が限られることも、買い手を絞る要因です。
狭小地は、売主自身が適正な価格をつかみにくい土地でもあります。前述の調査では、狭小地が売却・活用しにくい理由として「相場や適正な価格がわかりにくいから」が10.7%、「相談できる専門会社・専門家が少ないから」が6.3%挙がりました。
困った土地への希望を尋ねた設問では、12.7%が「手放したいが、どうすればよいか分からない」と回答しています(※)。
狭小地は取引事例が少なく、価格の目安を自分で調べにくいのが実情です。だからこそ、狭小地の取り扱い経験がある不動産会社に相談することが、売却への近道になります。
※"株式会社アクシアカンパニー調べ「土地・不動産を持つ人の27.2%が『活用・売却・相続』で悩んだ経験」(PR TIMES)"参照

狭小地を売却する主な方法は、「仲介」「隣地の所有者への売却」「不動産会社による買取」の3つです。
手元に残る金額を優先するか、スピードや手間の少なさを優先するかで、適した方法は変わります。
仲介は、不動産会社を通じて一般の買い手を探す方法です。相場に近い価格を狙えるのが最大のメリットでしょう。
ただし狭小地は買い手が限られるため、売却までに時間がかかりがちです。内見に備えた片付けや修繕が必要になるほか、売却後に雨漏りなどの不具合が見つかれば、修補や代金の減額を求められる「契約不適合責任」を負う可能性もあります(※)。
隣地の所有者は、狭小地の有力な買い手候補です。敷地を広げられたり、土地の形を整えられたりと、隣地側にも明確なメリットがあるからです。隣地も狭い土地や変形地であれば、話がまとまりやすい傾向にあります。
自治体によっては、隣地との統合を後押しする制度もあります。たとえば神戸市は、単独では流通しにくい狭小地等を隣地と統合する費用を補助しています(※)。
とはいえ、個人同士の交渉は価格や境界をめぐってトラブルになりやすいもの。打診するときは、不動産会社に間に入ってもらうと安心です。
買取は、不動産会社が買主となって物件を直接買い取る方法です。買い手を探す必要がないため、短期間で現金化できます。
古い建物が残っていても、室内に家財が残ったままでも、現状のままで売却できるケースが多いのも特徴です。
残置物の撤去やリフォームは買取業者が行う前提で価格が決まるため、売主が事前に費用を払う必要はありません。
一方で、買取価格は仲介で売れた場合より低くなる傾向にあります。また契約不適合責任の免除は法律で自動的に決まるものではなく、契約書の特約で定めるものです。契約前に条項を確認しておきましょう。
3つの方法の違いを表にまとめました。
|
比較項目 |
仲介 |
隣地の所有者への売却 |
買取 |
|
買主 |
一般の個人 |
隣地の所有者 |
不動産会社 |
|
売却価格 |
相場に近い価格を狙える |
隣地側のメリット次第で好条件の可能性 |
仲介より低くなる傾向 |
|
売却までの期間 |
買い手次第で長期化しやすい |
交渉次第 |
短期間で現金化しやすい |
|
片付け・修繕 |
内見に備えて必要になりやすい |
交渉次第 |
現状のままで売れるケースが多い |
|
仲介手数料 |
かかる |
不動産会社が間に入ればかかる |
不動産会社が直接買う場合はかからない |
|
契約不適合責任 |
負う可能性あり |
契約内容による |
免責の特約を結ぶケースが多い |
選び方の目安は次のとおりです。
仲介で売り出して反応が乏しければ買取に切り替えるなど、組み合わせて検討する方法もあります。

大希企画では、一般の市場では買い手がつきにくい物件の買取にも対応しています。ここでは、狭小地に建つ築59年の戸建てを買い取った事例を紹介します。
「知人に貸していた物件がゴミ屋敷化し退去対応後、撤去費用を捻出できずオーナーが片付けを実施。生前整理も兼ね、狭小地で売却困難だった物件を当方で買取。」
この物件には、「築59年」「賃貸中のゴミ屋敷化」「狭小地」という、一般の買い手が敬遠しやすい条件が重なっていました。仲介では、買い手探しが難航しやすいケースといえます。
買取であれば、建物の状態と土地の条件を踏まえたうえで、不動産会社が直接価格を提示できます。オーナー様は生前整理も兼ねて、長年悩みの種だった物件を手放すことができました。
この事例から分かるポイントは、次の3つです。
狭小地を有利に売るには、「先にお金をかけすぎないこと」と「土地の情報を整えておくこと」が欠かせません。具体的な4つのコツを紹介します。
売却前に、自己判断で建物を解体したりリフォームしたりするのは避けましょう。かけた費用を売却価格で回収できるとは限らないからです。
解体には特に注意が必要です。住宅が建っている土地は固定資産税の「住宅用地特例」の対象で、200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準が評価額の6分の1に軽減されています(※1)。
建物を取り壊して更地にすると、この特例が受けられなくなり、税負担が増える可能性があります。
さらに再建築不可の土地で家を解体すると、新たに家を建てられない更地が残るだけになりかねません(※2)。リフォームについても、買い手は自分好みに手を入れたいと考える場合が多く、売主の工事が評価につながらないこともあります。
※1"北九州市公式サイト(住宅用地に対する課税標準の特例)"参照
※2"e-Gov法令検索「建築基準法」第43条"参照
建物が古い場合は、解体せずに「古家付き土地」として売り出すのが基本です。買い手は建物を活かすか、自分で解体して建て替えるかを選べます。
売主にとっても、解体費を先に負担せずに済み、売れるまでの間は住宅用地特例も維持できます。古い建物の価値をどう評価するかは会社によって異なるため、査定時に確認しておきましょう。
狭小地では、土地の情報を事前に整えておくことが売れやすさを左右します。面積が小さい土地ほど、わずかな面積の違いや境界のずれが、価格や建てられる建物に大きく影響するからです。
売却前に確認しておきたい主な項目は次のとおりです。
登記関係の書類は法務局で取得でき、道路の種別は市区町村の建築指導課などで確認できます。自分で調べるのが難しい場合は、不動産会社に調査を任せるのも一つの方法です。
狭小地の売却は、どの不動産会社に相談するかで結果が変わりやすい分野です。狭小地の取引実績があるか、仲介と買取の両方に対応しているかを確認しましょう。
査定額だけでなく、その根拠を丁寧に説明してくれるかも大切な判断材料です。複数の会社から話を聞き、納得できる提案を選ぶことが、後悔しない売却につながります。
狭小地の売却では、仲介手数料や測量費などの費用に加え、利益が出た場合は税金がかかります。一方で、条件を満たせば税負担を軽くできる特例もあります。
売却時にかかる主な費用は次のとおりです。どの費用が発生するかは、売却方法や物件の状態によって変わります。
|
費用の種類 |
内容 |
ポイント |
|
仲介手数料 |
仲介で売れたときに不動産会社へ支払う報酬 |
不動産会社が直接買い取る場合はかからない |
|
測量費 |
境界を確定させるための測量費用 |
境界が未確定の場合に必要になりやすい |
|
解体費用 |
建物を取り壊して更地にする費用 |
狭小地は重機が入りにくく割高になりやすい |
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残置物の撤去費用 |
家具・家電・生活用品などの処分費用 |
量によって大きく変動。買取なら不要なケースが多い |
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登記費用 |
抵当権の抹消、相続登記などの費用 |
司法書士に依頼する場合は報酬が発生 |
仲介手数料には上限があります。2024年7月からは、売買価格800万円以下の「低廉な空家等」について、媒介契約の前に説明し合意したうえで、上限30万円(税別)まで受け取れるようになりました(※)。
売却価格が低くなりやすい狭小地では、事前に手数料の額を確認しておきましょう。
費用面の悩みは、狭小地の売却では珍しくありません。前述の川口市の事例でも、オーナー様は「撤去費用を捻出できず」ご自身で片付けをされていました。
片付けにかかる費用と手間を比べたうえで、売却方法を選ぶことが大切です。
※"国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラム」の策定(令和6年6月21日)"、"三井住友トラスト不動産「低廉な空家等の売買・交換に関する特例」"参照
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税と住民税がかかります。譲渡所得は、次の式で計算します(※1)。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
税率は、売却した年の1月1日時点の所有期間で変わります。
|
区分 |
所有期間 |
税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) |
|
長期譲渡所得 |
5年超 |
20.315% |
|
短期譲渡所得 |
5年以下 |
39.63% |
昔に購入した土地で購入価格が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなして計算できます(※2)。相続した土地は、亡くなった方の取得時期と取得費を引き継ぐ点も押さえておきましょう(※3)。
※1"国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」"、"国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」"参照
※2"国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」"参照
※3"国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」"参照
売却価格が低くなりやすい狭小地では、「低未利用土地等の100万円控除」が使える可能性があります。一定の要件を満たす低額な土地を売った場合に、長期譲渡所得から100万円を差し引ける特例です(※1)。
主な要件は次のとおりです。
この特例は、令和8年度の税制改正で適用期限が2028年(令和10年)12月31日まで延長されました(※2)。
ほかの特例と重ねて使えない場合などもあるため、適用できるかは税務署や税理士に確認してください。
※1"国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」"参照
※2"国土交通省「土地の譲渡に係る税制(低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置)」"参照
親から相続した実家が狭小地に建っている場合は、「空き家の3,000万円特別控除」が使えるかも確認しましょう。
一定の要件を満たせば、売却で得た利益から最高3,000万円を控除できます(※)。
主な要件は次のとおりです。
相続人が3人以上の場合、控除の上限は1人あたり2,000万円です。売却後に買主が耐震改修や取り壊しを行うケースも、一定の条件で対象になります。
要件が細かいため、適用の可否は税理士や税務署に確認してください。
※"国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」"参照
「売れないなら、ひとまずそのままにしておこう」という判断は、実はリスクの高い選択です。放置するほど税金や管理の負担が膨らみ、手放すときの選択肢も狭まっていきます。
使っていない土地や建物にも、固定資産税は毎年かかります。加えて、空き家を良い状態に保つには、換気や通水、草木の手入れ、台風後の見回りといった管理が欠かせません。
管理が行き届かず、屋根材の落下などで通行人や隣家に損害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を負う可能性もあります(※)。
隣家との距離が近い狭小地では、外壁の傷みや雑草の越境がそのまま近隣トラブルにつながりやすい点にも注意が必要です。
※"e-Gov法令検索「民法」第717条"参照
2023年12月13日に施行された改正空家法により、放置すれば「特定空家」になるおそれのある「管理不全空家」も、市区町村から指導・勧告を受ける対象になりました(※1)。
勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例から外れます。
静岡市は、特例が解除されると土地の規模などで差はあるものの、土地の固定資産税・都市計画税が約4倍になると案内しています(※2)。
空き家の管理に不安がある方は、大希企画の「空き家を放置するリスク」もあわせてご覧ください。
※1"国土交通省「改正空家法関連情報」"参照
※2"静岡市公式サイト(管理不全空家・特定空家と住宅用地特例の解除)"参照
狭小地を手放さないまま相続が起きると、判断と手続きの負担は子ども世代に移ります。
2024年4月1日からは相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に登記をしなければなりません。
2024年4月1日より前の相続も対象で、2027年3月31日までの登記が必要です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります(※1)。
相続人が複数いて共有名義になると、売却には原則として共有者全員の同意が必要になり、話がまとまりにくくなります。また、所有者が認知症などで判断能力を失った後は、成年後見人が居住用の不動産を売るのに家庭裁判所の許可が必要です(※2)。
前述の川口市の事例では、オーナー様が「生前整理も兼ね」て物件を手放されました。元気なうちに動き出すことは、ご家族への負担を減らす現実的な選択肢といえます。
※1"法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」"参照
※2"e-Gov法令検索「民法」第859条の3"参照
狭小地の売却を検討している方から、よくいただく質問と回答をまとめました。
周辺の土地の取引価格を基準に、面積・形状・接道状況・建物の状態などを踏まえて個別に評価されます。
周辺の取引価格の目安は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べられます。ただし狭小地は条件による差が大きいため、正確な価格を知るには不動産会社の査定を受けるのが確実です。
大希企画でも、狭小地に建つ築59年の戸建てを買い取った実績があります。古さを理由に、売却をあきらめる必要はありません。
大希企画では遺品整理会社とも連携しているため、片付けを含めてまとめて相談可能です。荷物の量に関係なく、まずは現状をお聞かせください。
あわせて、法務局で公図や地積測量図を取得すると、敷地の形や間口の幅を把握しやすくなります。調べ方が分からない場合は、査定の際に不動産会社へ調査を依頼しましょう。
仲介の場合も、インターネットへの掲載を控えるなど、販売方法を相談できることがあります。大希企画では秘密厳守で対応していますので、安心してご相談ください。
査定額や売却方法の選択肢を知っておくだけでも、売る・持ち続けるの判断材料になります。家族で話し合う前の情報収集としてもご活用ください。
狭小地は買い手が限られるため売りにくい面がありますが、土地の条件に合った方法を選べば売却は十分に可能です。
一人で悩み続けるより、まずは土地の条件を専門家に見てもらうことが解決への近道。大希企画では士業や遺品整理会社と連携し、片付けから相続登記、売却までを一つの窓口でサポートしています。
ご相談・査定は無料で、秘密厳守で対応しています。「具体的には決めていない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。



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